現状では 避けられない通信障害? 。。。

2011年は携帯電話からスマートフォンへ変更したユーザーが激増したと言われている。
日本の総人口は1億2千万人。 ドコモの契約数はその約半分の6千万に登る。
NTTドコモの本社が入居する東京千代田区にある山王パークタワー

6千万の契約といっても様々な企業で業務機器や交通管理システム、又はタクシーなどの料金
決済機器の通信用としても運用されている。したがって個人単位で使われているのはドコモ契約
内のおよそ7~8割り程度と推定される。また一人で複数の端末を利用している場合もある。


ここ半年で数回のシステムトラブルを起こしているドコモはスマートフォンへの移行を促進している
反面、予測の出来ないトラフィック量の増加にに脅えているところがある。

1999年に iモードが始まった頃もそれまでの音声通話がメインだった携帯にパケット通信
いうシステムが加わった。TVでは広末涼子のCMにより爆発的に iモード契約数が増加したが
その際も度々通信障害が発生し結局は大規模なシステムの見直しを行った経緯がある。


本来、FOMA3Gのシステム自体は普通の携帯電話のパケット用のシステムとして開発されている。
そこへスマートフォンという携帯電話の数十倍の情報量をやり取りする端末が加わる事により
今までよりも多くの通信量を発生する事になる。

通信システムに精通しているエンジニアの方から言わせると個々で使うアプリの内容によっては
アクセスの頻度や情報量がまったく違うしそれを把握して使っている人はほとんどいないと話す。
キャリアはその場しのぎのシステム増強ではまた同じ通信障害が起きるのではないだろうか。






「想定よりも通信量が多かった」?想定外?どこかで聴いたフレーズだが、現状でまだ1千万人
にも満たないスマホ契約数でこれだけの通信障害が発生している事を考えると根本的な
システムの見直しをしなければ再発防止に繋がらないのではないだろうか。



スマホへの移行でキャリアはARPU増加を目論んでいるが、その反面に刻々と増加する通信量に、
再び同じような状況が起きた場合の「想定外」弁論は もはや通用しない。。。




スマホ利用を拡大したい通信キャリア・・・しかし設備投資も拡大する 。。。

通常の携帯(ガラケー)からスマートフォンへの移行で通信キャリアとしてはARPU(月額利用単価)の増大を
目論むがガラケーよりも通信量が数十倍多いスマホはキャリアにとっても高速インフラへの設備投資が急務となっている。


NTTドコモ  Xi  (クロッシー)
37Mbps~72Mbpsのスピードをアピールするが2011年12月現在ドコモエリア全体の30%に満たない。
また2012年10月以降にユーチューブやUSTなどの動画データが多いものをクロッシー速度を維持しながら
長時間利用するとなると追加料が発生し結局は事実上の青天井プランとなってしまう。





KDDI AU  「プラスWiMAX (UQ-WiMAX) 」
事実上KDDIグループとなるUQコミュニケーション。いち早く高速通信のインフラを構築し
唯一、通信量に応じた速度の規制がないデータ通信専門のキャリアである。スマホへ対応し
AUとの方式が違うことから本当の意味でトラフィックの分散にはなるが消費電力が多いのが
ネックでもある。




ソフトバンクモバイル  「 ソフトバンク4G」 
買収したウィルコムのXGPシステムをベースにした新たなAXGPを構築し高速通信をアピールして
いる。またいずれLTEに参入の予定でもあるがその前にまずはiPone4や4sの為にいわゆるプラチナ
バンドと言われる900MHZ帯を是が非でも獲得し繋がりやすさをアピールたいところである。

パケットの定額料金が起爆剤で増えた携帯電話の通信ではあるがスマホの時代に変わる中で
海外ではあまりのトラフィック増加でべライゾンやAT&Tなど定額制の廃止が相次いだ。

日本でもSBMの孫社長が今後の状況次第ではそれも検討しなければならないと発言したりした
がそうなればユーザーが離れていくのは避けられないだろう。

通信会社の投資額の多さにも頭が下がるがプラチナバンドを獲得する為に総務省に強気な態度で
ビシバシものをいうSBMの孫社長にも脱帽してしまう。。。